出版された小説一冊のプロットを書き起こしてみた結果!

以前から何度も上げていた既存小説のプロットの書き起こしですが、実際に「戦闘城塞マスラヲ」の1巻で行ってみました。
実際にやってみるだけでも気づきというのはありましたので、何事も試してみないといけないなという事があります。
プロットの書き起こしをしていて気づいた気づきと自分の作品作成のプロットを振り返って感じた事を紹介します。
戦闘城塞マスラヲのプロットを書き起こして感じた事
林トモアキさんの「戦闘城塞マスラヲ」の1巻をプロットを自分なりに書き起こしてみました。
何気に読み直しになるのでちょっと時間がかかりましたが、作業としては1日くらいあれば余裕でできる内容でした。
またこの本はシリーズ2作目でしたが、私が林トモアキさんを知ったキッカケの本です。
実際に自分なりに書き出して感じたのは、読んでいた時に感じていたよりも内容は少ないという事です。
何度も読み返した本なんですけど、これが一番意外でした。
章毎のプロット項目数
戦闘城塞マスラヲの1巻は5章構成となっています。
それぞれの章毎にいくつの項目が書き出されたのかを紹介をします。
- プロローグ:7項目
- 1章:5項目
- 2章:5項目
- 3章:8項目
- 別章:7項目
僕がまとめた場合にはこんな感じになりました。
どうプロットとして書き起こしたのかは自分の小説だったらそのまま載せたい所なのですが、さすがに他人の作品でそれをするわけにはいかないので項目のみの紹介です。
僕が要素と感じたのはリストの32項目です。
1冊のプロットを書く際にこれだけの要素が多いのかどうか分かりません。
しかし、林トモアキさんのライトノベルの書き方の本を見るともっと少なくて1冊を書いてしまっている感じを受けます。
なので僕が書きだしたプロットというのは本家からすれば書きすぎるという印象を受けると思います。
キャラが立っていると編集側から言われるような人なので、勢いを大事にしてあまり細かい所を書いていないのかなと思います。
各章に盛り込まれている量は感じるより少ない
戦闘城塞マスラヲの1巻において1章分の分量は40~50ページになっています。
1ページは42(縦)*17(行)なので最大で714文字です。
50ページびっしり敷き詰めた状態ですと35,700文字になります。
現実的にはそんな事はなく改行や空白行が入るので7割程度の文字数になると思います。
ですので1章あたり2万5千文字程度の文字数になると考えられます。
※実際に数えてないので、もっと少ないかもしれません。
文字数だけ見ると結構あるように感じるのですが、実際にプロットを意識して読むとそんなに多くありません。
僕が書いたプロットで5項目程度を盛り込んでいると考えると色々としているように感じますが、主テーマとなるような事だと1つの事になっています。
逆に一本をアレコレ考えて詰め込んだのが、先日書いた「駆け出し冒険者のコボルト討伐」で約2万文字です。
特に文字数考えずに書いた内容なわけですが、大体章一つ分という量になっているというのには驚きました。
僕の一本が林トモアキさんの1章という事は林トモアキさんは思っていたよりも内容を詰め込んでないという事ではないかと感じました。
その為に一つ一つの事を深くできるし心情描写等が増えるという事を考えられます。
各章においてプロット項目を見るポイントが狭すぎる?
林トモアキさんのライトノベルの書き方の本から考えると主テーマとなるようなことしか決めずに書いているように感じます。
実際の本のプロットが紹介されているわけではないのですが、章あたり1文で書かれているので僕がプロットを書き出すのと視点が違うと感じます。
プロットを書く際にどんな点を気にしているのだろうと考えるとその章のテーマとなる部分をプロットとして書いていると思います。
逆に僕がプロットとしている書き出しいてるのは章のテーマとなる部分ではなくて流れや場面の一つ一つを書き出しているのでそもそもの考え方が違うと思います。
キャラが立っている人なのであまり事前に決めずに書いていってしまっている人なのか、頭でまとめてしまって一気に書いてしまっているのかは分かりません。
しかし、僕はプロットを書き起こす際に見るべきポイントが狭すぎるのだと思います。
読んでいく中での出来事ではなくてもっと俯瞰すべきだとプロットを書き起こした結果感じました。
章毎の言いたい事、やりたい事を読み取る事が大切なのではないかと感じています。
自分が書いているプロットと比較して感じる事
僕もプロットを書いてから小説を書いているので、今回のプロット書き起こしを行ってから自分で書いたプロットを見直してみました。
自分のプロットなので上記の記事内で公開しています。
見ながらの方がいいのでプロット部分だけ転載をします。
1.モンスターに襲われて瀕死になっている駆け出し冒険者(プロローグ)
2.依頼受注を申込にきた駆け出し冒険者がたらい回しにされる
3.若いギルド員がようやく話を聞いてくれて受注できる
4.洞窟に住み着いた討伐モンスターに瀕死にされる
5.若いギルド員が助けに来て撃破する
6.帰りの道すがら会話をする
7.第三王女が部屋に待っていて話す
8.駆け出し冒険者は討伐以外の依頼を受ける(エピローグ)
1章に対してポイントは一つになっていない
僕のプロットは章と項目数って合ってないよねという事です。
「駆け出し冒険者のコボルト討伐」は6章構成なので、6項目であるべきなのですが8項目と余分な項目があります。
林トモアキさんの本を参考にして書いたつもりだったんですけど、後から見直すと全然できてないですね。
精度等は置いておきますが、なぜ章単位になっていないかという点を考えると僕は覚え書きの要素として書いている部分が強いという事です。
その為にシーンが変わるポイントを項目として置いています。
書いている内に思いついた事や考えた事を忘れない為の対策としている面が強すぎるから起こっています。
プロットを書く意味というのは個々人によって違ったりすると思いますが、僕としては物語をブラッシュアップするために用いるものだと思います。
なので現在の書き方のままでは進歩していかないので変えていく必要があります。
シーンに重きを置きすぎて内容が分からない
忘れないという意識が強すぎた結果なんですけど、僕もプロットでは内容が分かりません。
例えば「帰りの道すがら会話をする」という部分は実際にこれで章にしているんですが、何を話すんだよという感じですね…。
むしろどんな話をしてどんな結果になるかといった事の方が大事です!
そのシーンとして帰り道を選んだだけなので、むしろ帰り道意外になっても作ろうとしている物語の本質からずれません。
この考え方の差が今回のプロット書き起こしをしても発生しているので、視点を上げてやらないといけません。
プロットの項目に章レベルの話と項目レベルの話が混在している
以前長編を書いていた時に作ったプロットと比べるとプロットの細かい部分は大分削ったつもりなのですが、それでも章として行う項目でないモノが入っています。
章として書いている内容が章レベルになっているかというと先に書いているように満たしていないです。
しかし、異なるレベルが混在してしまうと後で見返した際に全体が捉えにくくなってしまうので、書く際に項目のレベルというのは意識していかないといけないと感じました。
まとめ
プロットの書き起こしをする前はあんまり意味ないかなと半分思っていましたが、実際にやってみると気づきがあるので色々とやってみるものだ実感しました。
特にライトノベルの書き方の著者の作品だからこそ考える事ができたという側面もあります。
実践した結果、視点が低すぎて覚え書きになっているという気付きを得られたのは大きいです。
どう改善していくかはともかく問題点が分からない事には漫然と書いていかないといけません。
良いプロットができるようになれば面白い小説が書けるわけではないですが、考えた小説の質を上げる助けにはなるので身に付けておきたい技術です。
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