一人称視点の小説のタブーは? 視点移動や変更の工夫!

小説を書く時に気になるの事の一つに視点がありますよね。
どういう視点で話を展開していくのかによって、読者に与える影響が変わってくるので考え物です。
僕が書いているライトノベル系の小説では主人公への没入感を意識したいので、一人称の作品が多くあります。
一人称の作品は一人の気持ちを深く表現できる反面、一人の人物以外の描写ができません。
中でも主人公が関与しないシーンについては書くことができません。
一人称で小説を書いている場合に、一人称視点の人物の変更は可能なのでしょうか?
一人称視点の小説を書く時のタブーはあるのでしょうか?
今回の記事では、上記の2点を見ていきます。
一人称視点の小説のタブーは?
エンタメ系の小説になりますが、一人称の視点を別人物に切り替える事は行っても問題ありません。
小説内で視点を変更する事は問題ありませんが、やりすぎると読者を混乱させるだけになります。
視点の切り替えは頻度抑えたり狙いに応じて使いましょう。
一人称視点の小説で視点の変更自体は問題ありませんが、タブーと言われることがあります。
一人称視点で人物の切り替えをしていく時に意識しておかないとやりがちです。
押さえておきましょう。
一人称視点の小説のタブーは? シーン内での視点移動
小説の中の一つのシーンで複数の人の視点を持ってしまうのは読者が混乱します。
その為に、シーン内の視点の切り替えは小説ではタブーとされています。
一人称の視点で書かれているので、現在の視点の人物から見た状況しか書けません。
一つのシーンの中に複数の人の視点が混じると読者が状況を正しく掴めず混乱する事になります。
アニメでは戦闘シーン等で臨場感を出すために、一つのシーンの中で視点移動が行われています。
アニメが映像という小説よりも付加される情報が多いから可能です。
小説を執筆する時はアニメを見ているように、頭の中にイメージを浮かべながら文章を書きます。
けれども、頭の中のイメージそのまま書くと視点が混在してまう事があります。
読者は文章からイメージをするしかありません。
一つのシーンで視点が混在された小説になっていると、僕は疑問が先だって小説に入り込めません。
結果として、一人称視点の小説の強みである主人公との一体感を潰してしまう事になります。
WEB小説でも前触れもなく話区切りで視点を変更された場合にもすぐに視点が変わった事を把握できませんでした。
大きな区切りと読者にも認識される、章単位で小説の視点を変更するのがいいと考えています。
視点変更を明確に記述しなくても読者が理解しやすいと僕は感じています。
一人称視点の小説のタブーは? 視点主が知らない事を知っている
一人称で視点を変更する小説を書くと行ってしまうのが、現在の視点になっている人物が知らないハズの事を知っている形で進んでしまう事です。
事前に別の人物が話した事で読者も知っている事であれば、読者に対して同じ事を二度説明をする事になります。
読者への退屈さを排除しようとしてなるケースが多いです。
しかし、視点を変更しているので別シーンで居あわせていなければ知りえない事を当然のように流していくのはおかしいです。
視点変更をしない小説では起りえない事です。
視点変更を取り入れる際には、視点の人物が知らない事を読者が知っていても考えたり突っ込んだりするような描写を入れないと不自然になります。
一人称視点の小説のタブーは? 地の文が視点の人物の口調ではない
一人称視点を切り替える小説を書く時に、僕が一番大変だと思っているのが地の文の口調や感じ方です。
三人称の他者視点であれば、地の文は統一の感じ方をしていても不自然はありません。
しかし、一人称で人物が切り替わるのであれば、地の文も人物によって変える必要があります。
人には個性があります。
同じシーンにいても感じ方は人によって異なりますし、しゃべり方や言い回しというのも変わってきます。
人それぞれの視点を一人称で持っているのに、同じような地の文になってしまうのはその意味がないですよね。
読者よりも作者が混乱してしまうポイントにもなりますが、一人称で視点を切り替える一番の意味あるポイントだと思っています。
一人称視点の小説のタブーは? 視点の人物が多すぎる
一人称で視点を切り替えると言っても限度があると僕は考えています。
小説一冊分の文量で、多くても3人までだと考えています。
それ以上に増えるのでしたら視点の切り替えというよりも、連作短編のような形を考えた方がいいと思います。
多くの人物がいても読者は把握しきれません。
例えばライトノベルや漫画で学園を舞台にした作品は多くあります。
しかし、舞台として出してもクラス全員の存在は把握できないですよね。
名前が分かれば把握できるのでなくて、人物の性格や考え方を知って初めて登場人物を認識できます。
その為、小説の一巻分の量で頻繁に人物が変わると一人一人の存在が薄くなります。

どんなに多くても3人でそれ以上の視点の人物を出したくなったら、取捨選別で切る事を考えましょう。
シリーズを追うごとにライトノベルは登場人物が増えていく傾向が強いですが、一巻の段階で主要人物は5人程度になっていると僕は感じています。
これも登場人物の把握する限界値と関係があると思います。
小説の視点の書き方でタブーをしてはいけない理由は?
小説の一人称を複数の人物でする場合のタブーを先に記述しました。
ここでは、なぜタブーと言われるものが存在しているのかを見ていきましょう。
タブーがあるのは、読者を無意味に混乱させない為です。
文章の書き方にもルールと呼ばれることがあります。
上記の記事内でも記述していますが、様々なルールの基本は読者に読みやすく読んでもらうためにあります。
誰の視点なのか分からないと状況を詳細にイメージできず、読者は物語を楽しむよりも把握に頭を使ってしまう事になります。
結果として本を閉じる事にもなりかねず、作者と読者の双方に不利益になります。
ですので、ルールやタブーと呼ばれるものができていると考えています。
逆に、読者の読みやすさが損なわれないようになっているのでしたら、僕はルールやタブーを踏み越えてもいいと考えています。
小説の視点移動をする為の工夫は何かある?
小説の視点移動をする際ですが、章で切り替えるにしても少なからず読者に混乱を招く可能性があると思います。
その為に、作者の配慮として読者に負担にならないような事をオススメします。
僕が小説を読者として読んでいる時に、視点移動で混乱するのは次の点です。
- 現在の視点となっている人物
- 現在のシーンの時系列
小説の視点の切り替わりの冒頭で分かるようにすると、読者の状況の把握が楽になります。
なるべく分かりやすく読者に状況を分かるようにするのが大切です。
小説の視点の切り替えを容易に伝える方法を見てみましょう。
小説の視点移動をする為の工夫は何かある? メインストーリー以外に切り出す
この方法は対象シーンをメインストーリーの一環に盛り込むのではなくて、別に切り出す方法を取ります。
読者としても完全に切り離せるので混乱を起こしにくいです。
- 別視点を短編集にする
- 別視点を巻末や別シリーズで外伝とする
- 別視点を幕間等に置く
小説の本編では一人称一人の視点として割り切って執筆できる時には有効です。
頭脳戦や戦略といった要素が薄い作品の場合には比較的行いやすいと思います。
本編とは完全に切り離すので、読者としても把握しやすいです。
小説の視点移動をする為の工夫は何かある? 項目に視点を書く
小説のシーンの切り替わりを伝える際に、分かりやすくするために記号を使う場合ありますよね。
その記号の所に誰の視点をか記入します。
明示するので読者が誰の視点か考えずにすみます。
頻繁に視点の変更を行う場合には、明示してしまった方が読者としては安心感が出てきます。
僕が読んだ事がある作品では、ムシウタがこの形式をとっています。
過去編になるムシウタbugでは切り替わる回数が少ないからか、視点の明示はされていません。
一人称視点の小説のタブーのまとめ
一人称で小説を書いている場合に、一人称視点の人物の変更は可能なのでしょうか?
一人称視点の小説を書く時のタブーはあるのでしょうか?
上記の点を記事にしました。
一人称でも視点の切り替えは可能です。
しかし、読者の読みやすさを損なわない範囲で行うのが大切です。
小説の一人称で視点の切り替えを行う場合のポイントは次の点です。
- 小説のシーン内で視点を切り替えない
- 視点の人物が知らないはずの事をスルーしない
- 小説の地の文も視点の人物の書き方で書く
- 視点の対象とする人物は多くても3人まで
読者に現在の視点は誰かを考えるストレスを与えない為に、次の方法があります。
- 本編と別視点を切り分ける
- 誰の視点か切り替わるタイミングで明示する
一人称作品でも別視点を入れる事で伏線を入れやすくなったりします。
反面、複数の人間が一つの話の中で混在する事になり、作者にも人物の切り替えが大変になります。
上手く使いこなして、いい作品を創っていきましょう。
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